きずなホールディングス(7086)の株価は安いと判断|投資を決めた理由とは?(追記があります)
尊敬する個人投資家の方が、「きずなホールディング(7086)」を保有しているという記事を見ました。
そこで私も購入を検討して買ったので、その理由をまとめました。
(追記)記事の最後にも書きましたが、下方修正が出て購入したロジックから乖離が発生したため、損切りしました。
葬儀関連の競合とのPER・PSR・PBR・成長率の比較
現在での指標的には「ナシ」だが…
きずなホールディングは「葬儀葬祭業を営む事業会社2社を保有する純粋持株会社」です。
そこで葬儀関連の同業他社との各指標を比較。
- 【燦ホールディングス】(per)14.4倍、(psr)0.72倍、(pbr)0.46倍、毎年売上5%成長くらい
- 【ティア】(per)13.9倍倍、(psr)0.83倍、(pbr)1.22倍、毎年売上8%成長くらい
- 【ニチリョク】(per)10倍、(psr)0.35倍、(pbr)0.27倍、毎年売上は5%減少
- 【きずな】(per)11~14.5倍、(psr)0.8倍、(pbr)1.8倍、毎年売上は11%成長くらい
つまり、現時点の指標だけ見ると平均的で、割安でもないと感じました。
「株式市況」と葬儀の「業界事情」、きずな社の「個別事情」の検討結果
今期の着地予想、来期・再来期の業績を考えると「積極的に買い」と考えました
次に、「株式市況」「業界」「個別」でプラス要因・マイナス要因を見ていきます。
参考にしたのは、きずな社の決算短信や「成長可能性に関する説明資料」、競合他社の決算発表です。
プラス要因
株式市況事情
- 直近3ヶ月はどうなるか分からないが、1年以上のスパンで見ると必ず上がり傾向になる。
- 景気回復に向けて大きめのPERも期待できる。
市況の回復に合わせて、どれくらいのPERが期待できるかを念の為に見ていきます。
同業他社の直近3年のPER最高値がこちら。数値はバフェットコードを参考にしています。
- 燦ホールディングス:15倍(2017年12)
- ティア:28.8倍(2017年12月)
- ニチリョク:27.4倍(2018年5月)
各社ともに、現在よりかなり高いPERが許容されていますね。売上成長率が1桁%だったにも関わらずこの数値だったので、きずなホールディングスはもっと高いPERにもなり得るはずです。
業界事情
- きずな社が得意とする「家族葬」は、葬儀業界の中でも最も成長している市場。
- コロナの影響で、大人数でイベントごとは控えたいニーズが増えるはず。そうすると、きずな社が提供する「家族葬」「小規模葬儀」の利用率は上昇する。
- 葬儀の市場規模は右肩上がり傾向。2022年までに2020年の1%成長というレベルだが。
2番目の「「家族葬」「小規模葬儀」の利用率は上昇する」という話について、裏付けも見てみましょう。
2020年4月13日発表の「2020年5月期 第3四半期決算短信(IFRS)(連結)」によると、「単価の下落は見られるものの、足元の葬儀件数実績は計画を上回っている」と記載があります。その理由として、家族葬・小規模葬儀などきずな社の商材に対して追い風の状況があることが見受けられる。
つまり、業績が下がってないことがプラスのサプライズとして株価が上がりやすくなる。
個別事情
- オーダーメイド葬儀の取り扱い件数成長率は年1.87倍(19期上期から20期上期にかけて。その前1年は2.33倍の伸び)。全体に占めるオーダーメイド葬儀の割合は20%(6,497件中1,339件)。つまりオーダーメイド葬儀の取り扱い割合が増えるに従って、全社での成長率は高まっていく。
オーダーメイド葬儀の伸びについては「成長可能性に関する説明資料」で確認できます。11ページ目の右の欄ですね。
オーダーメイド葬儀の成長を加味すると、全社としての売上成長率は「1年後:25%成長、2年後22%成長」となることも考えられます。成長角度が上がるのは株価にとって好影響。PERも見直されるはずです。
計算式を貼っておきます。
- M&Aに慣れている。これまで3回のM&Aを実施しており成長されているし、今後もM&Aで成長を加速させる予定でいる。
- 2020年5月期の業績予想【売上】80億円、【当期利益】3.7億円に対して、3Qまでに【売上】73.5億円(進捗73%)、【当期利益】3.2億円(進捗85%)まで来ている。つまり、当期利益の上方修正が期待できる。
- 2020年5月期は上場にともなる一時的費用を差し引くと、2020年5月期は【営業利益】10.16億円、【当期利益】5.83億円なので、PERでは11倍まで下がる。(決算短信より)
- 2021年5月期のコンセンサスは【売上】88億円、【当期利益】5.8億円。売上成長率は9.3%、利益成長率は50.6%になる。
- MACDやストキャスティクス的に買い(2020年5月24日現在)。
- PER、PSR、PBRの指標的に下振れリスクは少ない。
- 同業他社に比べて売上成長率が高い
- 自粛期間の2020年3月~5月分の売上も、ほとんどへこんでいない。前述の「単価の下落は見られるものの、足元の葬儀件数実績は計画を上回っている」というのが裏付け。業績が下がってないことがプラスのサプライズとして、株価が上がりやすくなる。
そして、「弐億貯男」さんが買っていることが、個人的にはけっこう大きいプラス要因です。
マイナス要因
業界事情
- ・燦ホールディングス (9628)の2021年に向けての業績予想は良くない。売上は微減、当期利益は前期比47%
- ・業界的にPERはそこまで高くないし、売上成長率も高く(例:20%等)は目指せない。
個別事情
- ・2021年5月期の業績予想は「未定」になる可能性もある。
- ・売上成長率は毎年10%程度なので物足りない。だが、全体の20%を占めるオーダーメイド葬儀の年間1.87倍の成長率があるから、これは今後改善されるはず。
以上の検討結果から、きずなホールディングスの株は「買い」であると考えて購入しました。
きずなホールディングスのscockファーム的「目標時価総額」
成長率・PERの上限・下限を検討した上で目標時価総額を作ってみました。
2020年5月24日時点での時価総額は65億円なので、少なくとも1.25倍、最大で3.42倍になるのではと考えています。
下値リスクもそこまでなく、期待値としては間違いなく上向きだと思うので、躊躇なく買っていきたいと思います。
チェックポイントと売却目処
基本的には買った後に放置をしますが、各要因の前提が変わったり、チャート的に下降トレンドになったタイミングでは、一部売却や見直しの必要はあるかもしれません。
次回の決算発表は、2020年7月中旬予定です。
また、2022年5月期の目標時価総額「222億円」を早期に実現した場合も、早期売却の可能性があります。
1年後になると、さらに上のビューを描けるような情報が入ってくるかもしれないため、222億円以上になった場合はひとまずは未定ですね。
※免責事項※
検討結果は、2020年5月24日現在での情報を元に判断しています。今後の業績の伸び次第で、評価は変わる可能性があります。
個人の株式売買の検討用に書いた記事ですので、売買を推奨する記事ではありません。
実際の投資は皆さんご自身の判断でお願いいたします!投資結果については責任は持てませんのでご了承下さい。私個人はきずな社に期待できると思ったため、買っていきます。
(追記)下方修正が出たため売却しました
2020年5月25日に下方修正が発表されました。
まさか買ってすぐに下方修正が出るとは。。
ビューを微修正する程度の修正なら問題なかったのですが、2020年5月期で「葬儀件数は+0.9%になったとのことですが、葬儀単価が957千円から55千円下回る902千円(△5.7%)」となり、当期利益1.97億円、調整後の当期利益でも3.96億円。
翌期の当期利益では最低でも6.8億円ある前提での投資でした。
そのため残念ですが、5月26日に潔く撤退いたしました。